皮肉……なのだろうかと考える。



別に皮肉じゃないと結論付ける。



死にたがっている私の前に自殺サイトが現れた。ただそれだけのことだ。むしろ、印象に残ることだけを考えて、人気女優を使ったり、その商品とは全く関係のない演出をするテレビCMなんかよりずっとわかりやすい。



ただ、それだけにチープに見えて、本当に自殺サイトなのだろうかと疑ってしまう。



不幸の手紙2018年.verといった感じで、仮にここにメールを送ったら、「このリンクを5人に送らないと、あなたはろくな死に方をしません。」みたいな文字が出るだけかもしれない。



タチの悪いいたずらだ。



でも、物語の世界では、いたずらだと思っていたものが、本物だったりするのが定石。



いたずらだと思わせるくらいあえてチープな作りにすることで、目立たず、限定的にサイトを運営できるんじゃないだろうか。



そこまで考えていたら、これを作った人は頭がいい。いや、そうでもないか。



こんな私でも、そう推理できたくらいだ。専門家の肩書きを舐めて磨いてご飯を食べている犯罪心理学マニアのおじさんなら、その先も見えるはずだ。