急に席から立ちあがり、先生を始め、クラスメイトの好奇な視線に刺されながら、私は教室を抜け出した。



廊下を走り、トイレに駆け込む。



そして、誰が閉めたかわからない便座カバーを乱暴に開け、大きく口を開いた。



何も出て来ない。トーストも、ココアも、何も。



酸っぱい唾液が口の中を濡らし始め、ああ、これが吐く寸前なんだとわかると、手足が痺れ、冷や汗が額を滲ませた。



「お……おうぇ!!」



しかし、嗚咽しか出なかった。だらんと締まりの悪い唇から、糸を引いたよだれが白い便器の上に垂れる。



そんな情けない姿を見て、思わず便器に抱き着いて泣いた。



もう、もう、もう、嫌だ!! 死にたい!!



……死んでしまいたい。でも、死ねない! 死にたい!