昔、学校の国語の授業でやったある話を思い出す。
砂漠を歩いていた男が赤い蠍を踏んでしまう。
怒った赤い蠍は、その男を刺した。
出会ったハイエナに、毒を中和するには、青い蠍の毒が必要だということを教えられ、青い蠍を探す。
そうしてやっとのことで、青い蠍を見つけ、刺してもらうように頼むが、断られてしまう。
毒は青い蠍にとって、武器だ。悪意のないものに、武器を振りかざすことはできない。
青い蠍は、自分を殺すよう男に言う。そうしたら、刺してやると。
しかし、男は断る。死を待つことを選んだのだ。
人は生まれた瞬間に蠍に刺された。毒を回避するために、誰かを恨んだり、殺したりできないからと言って。



