想い出のその先に

「ありがとう。美菜ちゃん」
「木下さん、優しいですし、すぐわたしを襲わなかったですし。」
「いや、まあ・・あのさ」
「はい」
「俺らやっぱり今から付き合わない？」
「ん？」
「やけくそになって美菜ちゃんに冗談を言ってるわけじゃないよ？」
「わかってますよ」
「付き合いたいって思いを無駄にしたくない。お互い好きな人を想っていてもいい。そして体の関係もあってもいいと思う。俺の中ではもう美菜ちゃんが大切な存在になってる」
「・・・」
「チャラいって思われてもいい。でも今この美菜ちゃんの手を離したくない」と言った木下さんはわたしの手を握ってきた。
「・・・わかりました。わたしも幸せになりたいです。」
「ありがとう。ただし条件としてお互いの好きな人に誘われたりしたときはお互いの好きな人を優先すること」
「そんなこといいんですか？」
「お互いしっかり忘れるまではね」
「わかりました」

こうして私たちは私たちなりの付き合い方をしていくことにした。