想い出のその先に

授業を一つひとつこなし昼休みを迎えた。
わたしは弁当を持ち屋上に向かった。
着いたら佑亮がいた。

「来たか。とりあえず話したい」
佑亮から切り出した。
「何を話すの?彼氏のこと?」
「全部。」
「言っとくけど、佑亮に私の彼氏のこと言う権利ないと思うけど。自分は美穂ちゃんと普通に付き合ってるじゃん」
「そうだけど。そんなわけのわからないやつと付き合ってるのかって聞いてるんだよ。」
「佑亮に関係あるのかな?」
「ないけど。幼馴染だし」
「私たちさ、いつまでも幼馴染の型にはまりすぎだと思う。佑亮に彼女ができた。じゃそれを別れてほしいって言ったら別れるの?」
「・・・・」
「違うでしょ?あなたの選んだのはわたしではなくて美穂ちゃん」
「・・・・」
「それで幼馴染も大事だなんて都合良すぎない?」
「・・・でも」
「でも何?幼馴染ってそんな大事かな?確かに大事だと思うけどお互いの幸せを壊してまで幼馴染でいるのならわたしは幼馴染なんていらない」
「俺は、美菜のことが好きだから」
「好きって何?」
「でも、美穂と付き合ってる。美菜も大事。」
「言っている意味が分からない」
「俺は、美菜が大事なわけ。できることならずっとそばに居たいくらい」
「・・・・・」
「俺は美穂に告白される前からずっと美菜が好きだった。けど美穂に告白されて告白されたことがうれしくて付き合うことにした。実際、美穂のこと好きになった。でもいつも心の後ろにはいつも美菜がいた。」
「・・・・」
「だから彼氏ができたときとか終わりにしようとか言われたときは嫌だって思った」
「わたしは幼馴染終わりにしたい」
「・・・・」
「私は木下さんがいる。あなたにも美穂ちゃんがいる。美穂ちゃんが好きで私のことも大事。ふざけている。そんなの佑亮だけ幸せになって私は幸せになるなって言われているものと同じだよ」
「・・・・」
わたしはどっちつかずの佑亮に呆れていた。