──グイッ



──ギュッ



……………え?


目の前が真っ黒に。


消して目をつぶってるわけじゃない。


原因は多分これ。



一華「み、瑞希君、大丈夫?」



私を布団に入れるぐらい何かあるのかと思って。


『大丈夫?』と聞いたけど、返答なし。


返答がないことから考えると。



瑞希「……か……」



近くにいるから瑞希君の声がボソボソと聞こえる。



一華「どうしたの?瑞希君。」



瑞希「置いていくなチカ。」



途切れ途切れの声だった。


それでも聞き間違え出はない。


瑞希君の口から"チカ"と言う名前が出る。


それが女の子なのか、男の子なのか。


私にはわからないけど。



一華「置いていかないから。
大丈夫、私はここにいるから。」



ただ、もし女の子だったら、と。


考えてしまうだけで私の心臓が避けてしまうんじゃないかと思うぐらい。


私は胸が痛かった。