瑞希「早く、飯。」



回りの雰囲気を変えたのが瑞希君の発言。


そのおかげか、少し空気が戻った気がする。



もしかすると。


陽和君のアノ話題はタブーだったのかも。


そこに何も知らずに私が入り込もうとしたのかもしれない。



一華「場所がわからないからできないんだけど。」



瑞希「移動するか。」



龍生「頼むから、美味しい飯を!」



一華「龍生のご飯だけハバネロ入りね?」



陽和「ダメだよ、一華ちゃん。
コイツ辛いのは全然平気だから。
逆に甘口にしなきゃダメだかね?」



龍生「陽和それは言うなよ!!
ハバネロ入りとかラッキーって思ってたのに!」



思わず肩を落とす龍生の表情が面白くて私は笑う。



陽和「……一華ちゃん笑った方がかわいいよ?」



一華「お世辞をありがと。」



陽和「ハハッ…お世辞じゃないのにな」



愛華さんの言う通りかもしれない。


この中で一番思っていることが分かりにくい人は。



──陽和君な気がする。



陽和君の一つ一つの発言には。


トゲがある気がして。


彼がものすごく怖い。