廊下を進んで階段を上がって最終目的地である3年の教室につくと
私たちは教卓の上にあるペンを手に取った
恐怖は消え去ったわけじゃなくて
薄れただけだから
まだ震える手に力を込めてどうにかペンを取る
「…ここに、名前を書けばいいんだよ、ね?」
「おう」
教卓の上ににはもうすでに3枚の紙がある。
私たちの前の班のメンバーの名前が書いてある
藍乃
どうにか名前を書こうとするけど字が歪んでうまく書けない
すると
そっと私の右手に大きな掌で包まれた
「…え?」
振り返るとすぐそこに修也の顔があって。
修也の温かい手に包まれていつの間にか震えが止まっていた
包まれたペンを持つ手に力を込めて
“藍乃”
そして
“修也”
2つの名前を紙に書く
2人で書いたその名前は
いつも1人で書いていた名前よりも
ずっとずっと歪なのに
ずっとずっと
キラキラして見えた

