真っ暗な学校内は普段私たちが通っている学校とは全く別のものに見えた
いつもは人がごった返して騒がしい廊下も
元気な声が響く教室も
怖いほどに静かで
私たちの歩く足音だけが響いていた
渡された懐中電灯が歩く道を照らすけれど
逆に照らされたところに変な形の影ができて恐怖を煽った
「…藍乃ちゃん…怖い…っ」
愛妃ちゃんがぎゅうっと肩口を握り体を寄せる
私も怖い。それでも愛妃ちゃんを怖がらせるわけにはいかないと
「大丈夫だよ!幽霊なんていないから。いても私が守ってあげる」
にこりと無理矢理口角を上げて微笑んだ
竦む足をどうにか動かして
歩みを止めることはなかった
…怖かった
幽霊なんていないと自分に言い聞かせても
どうしても心の中で「早くここから立ち去りたい」と叫んでいる
それでも今帰ることは叶わないし
ならば目的を完遂して帰るまでだと決意するように
右手の握り拳をまた強く握り直した

