かわいいあの子


担任の「班員揃ったところから始めていいぞ〜。」という声で私たちは準備にとりかかった。


「私は野菜切るね。」と、茉奈ちゃん。

「私はお肉用意する。」と、みっちゃん。

「私はご飯炊くね。」と、私が言うと「僕も手伝うよ。」と、山本くん。

「ありがとう。」

「じゃあ俺らはいるもの取ってきて火起こそっか。」と、原田くんと矢野くんが顔を見合わせて頷く。




私はお米を研いで鍋に入れた。

正直山本くんに手伝ってもらう必要ないと思うんだけどなぁ。

私は山本くんが汲んできてくれた水を入れて蓋をして、火にかけた。

すると、山本くんが話しかけてきた。


「藤原さんてさ、本好きなの?」

「え?」

あまりにも急すぎて驚いちゃった。

「好きだよ。どうして?」

「いや、この前たまたま本屋さんで藤原さんを見たんだ。」

「本屋さんにはたまに行くけど図書館の方がよく行くよ。」

「そうなんだ。僕も本読むの好きなんだ。」

「そっか。一緒だね!」

「うん。」

お互い本が好きで話が弾んで炊き上がったことに気づかないでいると、
「おーい。炊き上がってますよ〜おふたりさん!食べよ〜。」
と、言われたのでみんなのところへ戻った。

野菜やお肉も焼き上がってるみたい。



「ねぇねぇ紬。さっき随分話が弾んでたみたいだけど、何話してたの?」
と、みっちゃんはニヤニヤしている。

「あのね、山本くんは私と一緒で本読むのが好きなんだって。」

「ははーん。共通の趣味があるってことね。」

「そうそう!」

「こりゃ薫くんに知らせなければ!」

「どうして?」

「ないしょ!」

「え〜。」



それから班の皆とたくさん話して食べて、片付けた後はクラスの皆でレクリエーションして解散した。




帰り、私はみっちゃんと山本くんと矢野くんと帰ることに。

みっちゃん以外の2人と最寄り駅が一緒だったことにはとても驚いた。
2人とも部活してないから私とは下校時間が異なるのだ。



みっちゃんとバイバイしてからは、ずっと本の話だった。


さらに驚いたことに、矢野くんのアルバイト先が私と山本くんのよく行く本屋さんだったのだ。