茜里は死んでも尚、りつから忘れられる事なく、りつの心の中にいる。

…ねぇ、りつ。
もし、あたしが死んでも、茜里と同じように悲しんでくれる?
忘れないでいてくれる?


高校生活に慣れてきた頃、クラスメートの誘いで、ソフトボール部に入部した。
上下関係は厳しく、1年生はほとんど球拾いだけど、それでも、授業が終わって目的もなく帰るより、よっぽどよかった。

ある日、帰り支度をしていると、りつが静かにやってきた。
最初は何が言いたいのかよくわからなかったが、要するに、茜里の死を乗り越えて、あたしだけ前に進んでいるのが許せないようだ。

したい事をして何が悪いの!?
りつに迷惑は掛けていないのに、りつが怒る理由が、あたしにはわからなかった…。