『…なんかもうどうでもいいや』

『あんた、バカァ!?
このまま、高校にも行かず、家の中に引きこもる気!?
おじさんとおばさんの気持ちも少しは考えたら!?』

…冷静に考えると、学力では自分の方がバカなのに、よく学年上位にいる人にバカなどと言えたものだ。

その言葉に、よほど腹が立ったのか、りつは翌日から学校に来て、今までの遅れを取り戻すかのように、放課後も各科目の先生に、わからないところを聞いていた。

その結果、見事、蓬莱山(ほうらいさん)高校に2人して受かったが、あたしが蓬莱山高校を受験したと知らなかった凛月はかなり驚いていた。

『この制服が着たくて、頑張ったんだもん♪』

真新しい制服をつまみ、りつに言ったが、りつはあたしの話など聞いていない。
こんな時の凛月は、茜里の事を考えている。