須藤と帰った日から三日後。今は放課後。
珍しく王子がまだ教室に残ってるけど。

...王子のご機嫌がすこぶる悪い。

「...北川?どしたのってば」

「...別に、なんでもない」

北川の雰囲気がいつもと違い過ぎて怖い。
...あたし、なにかしたかな。

「...あたし、なにかした?」

「...なんだ、わかってんじゃん」

「えっ!や、やっぱあたし?」

でも、なんでかはわからない。

すると、北川はため息をついて言った。

「ちょっと来て」

「うん」

連れて来られたのは、非常階段。
...嫌な思い出しかない。

「...須藤と一緒に手つないで帰ったってね」

「えっ!あ...うん...」

「なんで?」

「えっ、と...それは...」

「俺、あいつと二人きりで会わないでって言ったよね」