俺だけのカイロ

[惺side]

「ねーねー、北川くぅん」

「何?」

...俺、片瀬と帰りたいんだけど。なんて言わないよ。
本心だけど。

「今日はあたしとクレープ食べに行くよね?」

「何言ってるの?今日は北川君はあたしと遊ぶんだよ。
ねー?北川君!」

「待ちなさいよ、北川君はあたしと一緒に帰るの!!」

...また始まった。こうなるとほんと面倒。
自分がこんな状況つくってるんだけどね。

「...今日は、クレープだよ。また今度ね」

「じゃあ、次はあたしね?」

「うん。わかったよ」

「はいはい!その次あたし!」

「うん。じゃ、また今度ね」

女の子達を適当になだめ、俺は教室を出た。

あれからずっと一緒に帰ってない。
毎日触れてても、片瀬が足りない。

「ねーねー、北川君?」

「ん?何?」