────キーンコーンカーンコーン

北川がなにも言わないまま、授業が始まってしまった。

...すると、

何かがあたしの手に触れた。

机の下を覗くと、あたしの手に触れていたのは、
北川の手だった。

「えっ!?ちょっと、北川!」

「片瀬、静かに」

「いやいや、静かにって!」

...机と机の間が狭くて、他の人には見えないけど、
それにしても、授業に集中できないよ...

「今日は特に寒いから、授業中もカイロして?」

あーーーもーーー!
だから、お願いするなって!

「...う...ん」

あたしってほんと単純っていうか、意思がないっていうか...
すぐ流されるな...優柔不断なのか?