そう言って、三奈ちゃんはどこかへ行ってしまった。

...それにしても、なんか面倒なことになってきたな...。

そんなことを考えていたら、

「...あれ、夏乃ちゃんじゃん。どしたの、こんなとこで」

「...須藤...」

「ん？どした？」

「...怖かった...」

須藤の顔を見てほっとしたのか、ちょっと涙がでてきた。

「夏乃ちゃん...」

須藤は泣き出したあたしを優しく抱き締めてくれた。

「...大丈夫だよ」

「...ん。あり、がと」

「夏乃ちゃん」

「...なに？」

「...もうちょっとだけ、このままでいさせて？」

「？うん」

...北川、怒るかな。
いや、ちょっと待て。
なぜあたしは彼氏でもない北川に怒られなきゃいけないんだ？
そうだよ。北川に怒られる筋合いはない！
こないだ出てこなかった言葉はこれだったんだな...

「夏乃ちゃん。俺ね...」

「うん」