窓の外を流れる景色が、駅前に近づくにつれてどんどん賑やかに、騒がしくなってくる。



それに伴うように、俺の心もざわついてきた。なんなんだよ…この変な気持ち。



そして、タクシーは駅前のロータリーへと着いた。「お客さん、着きましたよ」という運転手の声で、やっと目的地に着いたことを知った。



ドアを開けて降りようとすると、


「お客さん!お代もらってないよ」


「あっ、、すみませんっ…」


はぁ…どんだけうつつ抜かしてんだ…
とりあえず今はYukiたちの所へ行かなきゃな。



俺はライブハウスまで全速力で走った。



いきをきらしながら彼らの待つ部屋に転げ込むように入ると、「遅ぇぞ!何してたんだよ…」



というHidekiの声。



「申し訳ない、みんな…。怪我した人の介抱をしてたらこんな時間に…。」


「まあ、それなら仕方ないな笑 お前のそのお人好しすぎるところも長所であり短所でもあるんだけどな…」