「雅、その辺にしておきなよ。」 私でも、雅ちゃんでもない低い声が頭上から聞こえ顔を上げる。 「一ノ瀬くん…」 一ノ瀬くんだった。 「あ、柊じゃん。」 「その辺にしときな、紺野さん困ってるよ?」 一ノ瀬くんが、ふんわりと微笑む。 え………もしかして、一ノ瀬くん… 「えっ! ご、ごめん雫。困らせちゃった?」