すると、一ノ瀬くんは静かに目を閉じていた。




「これなら、怖くないでしょ?」




確かにこれなら、落ち着いて絵が描ける。



それに、描く相手の表情は自由とされているので



目を閉じた絵を描いても問題はないだろう。




「あ、ありがと!」




それから、私は一ノ瀬くんのおかげで



絵を描くことに専念することができたのだった。