好きになっちゃ、ダメなんだ。


それだけは避けたい。




これは家庭の問題で雅ちゃんには関係ないから…




「………」




「雫」




うつむいていると正面から声が聞こえてくる。




私はゆっくりと顔を上げた。



「ごめん、困らせて。
 言いたくないならムリしていわなくていいよ?」



彼女は、私の何かを悟ったように微笑んだ。



だけど、その微笑みの中には悲しみの色が混じっていて……