好きになっちゃ、ダメなんだ。


「ってか、なんで時間つぶし?
 
 もうこんな時間だし、親心配してんじゃない?」




雅ちゃんの言葉に私は視線を落とす。



お母さんは9時にしか帰ってこないし、あの人が私の心配なんてするわけない。




「いやぁ~、ちょっと親とケンカしちゃってさぁ……」




ありもしないことを並べ、わざとらしく私は笑う。


帰りたくない理由は他にあるんだけど………



「え! ケンカ?」



「うん。だから、帰りたくなくて。」



「そっか………」


「うん………」


雅ちゃんと目を合わせてしまったら、ウソがばれてしまいそうで



私はチェック柄の自分のスカートをジッと見つめる。