「春陽さ、あれからすぐにアドレスも何もかも変えて連絡取れないし。親もクラスの奴らも春陽の引っ越し先知らなくて、ずいぶん探したんだけど…」 「誰かと間違えてない?」 私はもうあの頃の春陽じゃない。 春陽じゃない。 「春陽、だろ?」 「…………じゃない。」 「え?」 「春陽じゃない」 その言葉だけを残して勢いよく家の中に入った。