と置いた。


一応元女王もクラスメートなので、話しかける。
「おはよ、日向子。」
私がそういうと、取り巻きは必ず
「ちゃんと返しーや。挨拶!!」
と言ってキャハハハ、と笑う。
そう。それでいいんだ。

確かに、日向子の時自分はそんなことされなかった。
ただ悪口を言われるだけだった。
でも、それだけだったら面白味がない。

もっともっと楽しみたい。



私が取り巻きと話してると、日向子はわざとらしく「宝塚」の雑誌をパラパラとめくった。

面白そうなので私はみんなに告げる。
「なんかめくってるから見てほしいんかな。ちょっと見に行ってあげへん?」
「さんせー!!」
日向子のところへみんなを誘導した。だがすぐに後ろへササッと引いた。遠くから見ている方が面白いからだ。

「ねーね。日向子。なにそれー。」
日向子は私がその場にいないことを確認してから、
「宝塚歌劇団に入ってんねん。これ、ヒナやで!!」

あーあ。可哀想に。
また女王になろうと泥沼から必死に足掻いてる。
そんなことしても無駄だよ。日向子さん。
そう心の中で呟くと、私は日向子の元へ駆け寄った。

「そーなんだ。すごいね。日向子って妄想すごく上手やね!!尊敬する〜♪」

みんなは高い声でキャハハハッと笑う。

それからサーッと引いていく。


嗚呼、なんて愉快なのだろう!!
学校が大好きになった。

自分の「お城」だからだ。