なんだか待っていたみたいで恥ずかしくなった私は、自分の荷物を整理し始めた。 「…あ、」 そうだ、とふいに中谷さんが声を漏らす。 「今日、誕生日なんだって?」 「え」 思いがけなかった言葉に、 つい間抜けな声がでてしまった。 「あれ、違った?」 中谷さんが私の誕生日を知っている、 思わずニヤけそうになる頬に力を入れ直して 「そうです!」 と、なんとか声に出して答えた。