嫌いな体

「かっかっこぃい!!」


後ろから甲高い声が聞こえたと思ったら、俺の腕にはさっきの女がしがみついていた。


忘れてたよ。この女。

「キャーキャー」言う女を俺はうざったげに見下げた。


「もー!かっこよすぎぃ!もう、あいつ束縛男すぎてぇ、嫌だったんだよねー!もうあんたの彼女になっちゃうー☆」


ペチャクチャ早口で勝手に喋りやがって。


俺は、ニコッと女に笑う。
すると、女は顔赤らめ、髪をかまう。


そして、俺は女に顔を近づけた。


「おまえみたいなブスの相手、誰がするかよ」


それだけ言い、俺は女に背を向けて出口に歩いた。


「なっ!何よ!!待ちなさいよ!!」


また、女は腕を掴んできた。


しつこい奴だなぁ。
‥と思った瞬間。
ぬっと後ろから影が‥‥


さっきの連中のリーダーはまだくたばってなかったのだ。


そいつは、鉄の棒を振り上げる。


しまった――‥!


今は女に腕を掴まれて上手く交わせそうにない。
女も突然の事に顔を真っ青にするだけだ。


「キャー!!」


女の叫びとともに鉄の棒は振り落とされる。


――くそっ‥!!


そう思った時だった――‥


「!」