君だから。



「葵ちゃんのお母さんはすごいね」


きっと、葵ちゃんはお母さんに似てるんだろうな。


会ったことはないけどそんな気がした。


「晴翔くんも、私服似合ってるね」


えっ…。うわ、まじかー/////


好きな子にそんなこと言われたら普通に照れるし。


顔が熱くなる。


あー、俺、顔赤くなってないかな?


似合ってるよと言ってくれた葵ちゃんはそれからじーっと俺のことを見てる。


これは、何の視線なんだろ…。


あんまり、見つめられると正気でいられる自信がない。


勢い余って変なこと言いそう。


頑張れ俺の理性。


そう自分に言い聞かせ、葵ちゃんに話しかける。


「葵ちゃん、俺の顔になんか付いてる?」


葵ちゃんは驚いたようにぱっと目を見開いた。


そして、視線を彷徨わせながら小さな声で────


「えっと、晴翔くんモデルみたいだなって思って…その…素敵だなって」


そう言って、俯いてしまった。


えーっと、これは、どういう意味だろ。


頭の回転が追いつかない。というか、止まってる。


これは、脈アリなのか。それとも俺の思い違い?


わっかんねー。