君だから。



ていうか、初恋だしね。


でもやっぱり、九条くんは優しいし、葵を幸せにしてくれるって思えるから、早く付き合って欲しいけど…。


出会ったばかりだから仕方ないのかな。


「あんまり、急かさない方がいいのかな」


「そうだよね〜」


「とりあえずは見守るかー」


結局は二人きりにするだけであまり小細工はしないということに案はまとまった。


付き合うかどうかは九条くん次第。


この際、二人のペースでいいか。


でもね、葵は鈍いから。


頑張れ、九条くん。


私は全力で2人のこと応援するよ。



✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼



晴翔side


「兄貴、起きてる?」


「んー…」


日曜日の朝。出かける前に兄貴に伝えようと思ってドア越しに声を掛けたけど、兄貴はまだ眠そうな声をしていた。


まあ、たぶん帰ってきたの朝でしょ。


兄貴は朝帰りすることが多い。


理由は、女遊びが激しいから。


兄貴は学校でも有名なイケメンで、芸能事務所にスカウトされたことだってある。もちろん、めんどくさいからって断ったけど。


だから、女の子にかなりモテる。言い寄ってくる女の子は数しれず。付き合った人数も数え切れないほど。