君だから。



「あ、ちょっとまって、そういえばなんで神崎いるの?」


「九条くんと仲が良いからじゃない?」


「まあ、そうなんだけど。葵が危険だと思って」


もう私は葵が心配でたまらない。


葵は自覚が全くないから。


葵は昔からずっとかわいい。


でも、そんなこと全く思ってなくて三つ編みに眼鏡をかけてて、正直、勿体ないと思ってた。


だけど、友里奈と梓と仲良くなってから三つ編みと眼鏡はやめて、メイクまでするようになった。だから、当然男たちは食いつくわけで────


あああっ、ほんと心配。


変なやつに狙われるくらいなら早く九条くんとくっついて欲しい。


あの2人、両想いだし。


「ねえ、九条くんさ告白すると思う?」


「うーん、どうだろうねー。私が見た感じ案外、奥手そうだなー」


「でも、話しかけたりはしてよね」


「うーん、たぶん慎重になってるんじゃないかな〜?」


梓が意外なことを言った。


あの顔なら慎重にならなくても大丈夫そうだけど。


実際、九条くんは転校してきてまだ1ヶ月も経ってないけどもうすでに何回も告られてる。


まあ、葵は顔で選ぶような子じゃないんだけどね。