君だから。



真面目な顔をしてそう言う葵ちゃん。真っ直ぐ俺を見つめるその瞳は澄んでて目がそらせなくなる。


「ありがとう。応援、嬉しかった」


「私の応援、届いてた?」


「うん、届いてたよ。俺も葵ちゃんのこと見てたから」


「えっ?」


『えっ!?』


えっ!


あ、やべー。


他にも人がいるの忘れてた!


俺、嬉しすぎて頭どうかしてた。


「九条くーん?今の何かなー」


「いや、何でもないからっ!」


ほんと、俺って自分でも思うけどわかり易すぎる。


でも、まともに恋をしたことのない俺にとっては自然に振る舞うことができなかった。



「晴翔、お前もしかして七瀬さんのことが好きなのか?」


うっ、ド直球すぎだろ。


まあ、そうだけど。


あれから、俺は高山さんの尋問をなんとかかわした。


って言っても多分バレバレだけど…。


だから、今はこうして涼佑に直球すぎる質問を投げかけられている。


「俺、そんなにわかりやすい?」


「すげー、わかりやすいぞ。顔に書いてるし」


ニヤニヤしながらそう答えたのは隼也だった。


「お前、知ってたのかよ」