君だから。



まじで、かっこ悪すぎ…。


自分の頭をワシャワシャとして気持ちを落ち着かせようとするけどなかなかそううまくはいってくれない。


「九条くーん?どうしたのかなぁ?」


焦る俺を見てからかうようにそう言ってきたのは葵ちゃんの親友の高山凛。


おそらく彼女は俺が葵ちゃんのことが好きだって気付いてる。


今だってニヤニヤしながらこっち見てるし


ちらりと高山さんの方を見るが、その表情は絶対楽しんでる────


「な、なんでもないよ」


「えー?なんでもなくなさそうだけどなあ」


うわっ、この流れはやばい。


「晴翔くん何かあったの?」


「えっ?」


俺の目の前には不思議そうにこちらを見る葵ちゃんがいた。


「えっと、なんでもないよ。ちょっと頑張りすぎたなって」


あははと笑いながら誤魔化してみるけどきっと、通用しないよな。


「最後のシュート凄かったよ。スリーポイントだっけ?」


「見ててくれたんだね」


最後のシュートは一番頑張ったから。見てくれていたと思うと嬉しくなってしまう。


「だって、見ててって言ったでしょ?だから、ずっと見てたよ」