思わず晴翔くんの方を見ると口パクでおうと言っていた。
あ、ちゃんと届いてたんだ…。
あんまり大きい声じゃなかったから届かないと思ってた。
でも、晴翔くんにはちゃんと届いてたみたい。
ちゃんと伝わってたと思うと嬉しいな。
そんなことを考えていたら自然と笑みがこぼれた。
私がもう一度晴翔くんを見るとボールを持ってドリブルしているところだった。
途中でドリブルをやめ、近くのメンバーにパスを回し走る。だけど、そのボールは相手チームのエースに奪われ主導権を奪われてしまった。
あっ、取られちゃった。
でも、なんとなくだけど晴翔くんならきっと大丈夫だと思った。
『ありがとうございました〜』
あれから、１度逆転されたが、接戦の末に晴翔くんと長谷川くんの活躍によって見事に優勝した。
『おめでとー！』
『やったねー！』
クラスメイトがバスケメンバーの元へ駆け寄り祝福をした。
「優勝おめでとう」
「お、おめでとう」
私たちも晴翔くんたちの元へ行って祝福した。
「おう、ありがとなー。みんなの応援のおかげで優勝できたよ」
「て、ほとんど晴翔の応援だったけどな。俺たちにじゃねーよ。」
