君だから。



こんな美味しいお弁当毎日食べれたらな…。


「葵ちゃんは毎日こんなに豪華なお弁当作ってるの?」


「へ?全然豪華じゃないよ!普通だよ?」


全力で否定した葵ちゃんはなんだか必死そうだ。


「いやいや、すごいよ!めっちゃ美味いし!」


「そ、そうかな?晴翔くんが気に入ってくれてよかった」


あ、葵ちゃん照れてる。


うつ向いた葵ちゃんの顔はほんのりと赤くなっていて照れているんだなと思った。


かわいいなぁ。


俺、完全に葵ちゃんのこと好きじゃん。


こんなに、純粋な子は俺の周りには今までいなかったから────


葵ちゃんは俺のことどう思ってるんだろう。


同じ気持ちだったらいいのに────


でも、きっと葵ちゃんはなんとも思ってないんだろうな。


「ねえ、葵ちゃん」


「ん?」


「俺さ、決勝戦頑張るから。だから、応援してほしい」


「うん、応援するよ」


「ありがとう。それと、お弁当マジで美味かった。これで午後からも頑張れる気がする」


俺は、空になったお弁当箱を葵ちゃんに返した。


「じゃあ行ってくる」


本当はもうちょっと話したかったけど試合開始の10分前になってしまったためそれは叶わなかった。