「えっと、ありがとう」
私は晴翔くんに渡されたパンを大人しく受け取ることにした。
体調まで心配されるとはおもってなかったからなんだか申し訳ない気がしてしまう。
晴翔くんはこれからバスケの決勝戦とリレーを控えているのに私のことを気遣ってくれるなんて…
ほんとに優しいなぁ。
でも、その優しさはきっと私だけにくれるものではない。
晴翔くんは誰にでも優しくてみんなから好かれるような人気者。
転校してきてからまだ1ヶ月も経っていないけどその人気はもうクラスを越えて他クラスまで広がっていた。
きっと、今日の体育祭でもっと人気が出るんだろうなぁ。
ぼんやりそんなことを思った。
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晴翔side
葵ちゃんからお弁当もらっちゃった。
卵焼きは甘くてふわふわでめっちゃ美味かった。
朝起きてこれ作るの大変じゃないか?
お弁当箱の中には色とりどりのおかずが入っていて手が込んでいることが分かる。
味も濃すぎず薄すぎずちょうど良かった。
転校してきてからまともなものを食べていなかったせいもあり、特別美味しく感じてしまう。
