君だから。



この前、放課後に遊びに行ったことは次の日の朝に三人に問い詰められ、すべて話してある。


あの時はまるで、事情聴取を受けてる気分だった。


「絶対、好きだってー」


「ねー!だって、葵ちゃん可愛いもん」


「そうそう!私がもし男子だったら絶対彼女にしたい!凛ちゃんもそう思うよね?」


「そりゃあ、あたしは葵の彼氏一号だから」


なんだか、三人がすごく盛り上がっている。


こうなったらもう、私には止められないので諦めて放っておくことにした。


そして、私は得点版を見た。


6‐2


このままの調子でいけば勝てる点差だった。


試合は残り1分なのでおそらく決まりだろう。


そして、そんなことを考えている間に試合終了の笛がなり、晴翔くんたちの決勝進出が決定した。


決勝戦は午後からで、お昼休みを挟んだ後に行うことになっている。


周りはガヤガヤしだしてみんなそれぞれ移動し始めていた。


「私たちもお昼行こっか」


友里奈ちゃんがそう言い、私達は廊下へ出た。


「葵ちゃんっ!」


そう言って私を呼び止めたのは息を切らした晴翔くん。


走ってきたのかな?