君だから。




✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼


お昼休み。


早々にお弁当を食べ終えた私は大勢の女子たちに囲まれ鏡と向き合っている。


三つ編みはほどかれて程よく髪が波打っている。


「梓(あずさ)ヘアピン持ってるー?」


園崎さんにそう呼ばれたのは白井 梓(しらい あずさ)さん。


白井さんは園崎さんの親友で、いつも一緒にいる。


そして、やっぱりかわいい。


女の子らしくて、男子からとても人気があるみたい。


「あるよー。これ使って?」


「七瀬さんは前髪ちょっと長いからピンで留めるね」


「あ、うん」


そう返事した私はもうされるがままになっている。


「じゃあ、眼鏡取ろっか?」


そして眼鏡も外される。


「まつげ長っ」


「くっきり二重!」


「コンタクトにしなよ〜」


「やっぱり葵は眼鏡取るべき!」


みんなが褒めてくれるとなんだか照れくさい。


「よしっ、じゃあ、お化粧するよ〜」


そうしてそのまま園崎さんに軽いお化粧をしてもらった。


「じゃんっ!どう?」


園崎さんがそう言ってみんなに改めてお披露目する。