綺麗だった。この桜とおんなじくらい。
白い肌に黒い艶のある髪。
その白い肌にくっきりと影が見えるくらい長い
まつげ。
切れ目の目の中に見える黒い瞳。
風が吹いてその人の前髪を揺らすと
余計に顔がはっきり見えた。
「…綺麗。」
思わずこもれた言葉。
今この世界でこの人が1番綺麗という言葉がお似合いだろう。
人を見てこんなに感動するのは初めて。
私の言葉がおそらく聞こえてなかったその人は
私の横で上を向いて桜を見ていた。
制服のポケットに手を入れて桜を眺めている。
その姿がもうなんか映画のワンシーンみたいで
私がこの世に存在しているのを謝りたくなった。
顔が熱くなっていく。
