あなたに溺愛

こじんまりした小さなレンガ造りの喫茶店「バロン」。

お店の周りには、季節の花が色とりどりに植えられている。

私の家族の、大切なお店。


カランカラン……


扉を開けて、藤樫くんを席に案内した。

「うちのおすすめは、父の手作りのイチゴケーキなの。甘いの大丈夫?紅茶でいい?」

「あ、ああ……」

私に押され気味の藤樫くん。

すみません。


「すぐに持ってきますね。待っててくださいね」