「なっ、なんだ!? 土下座とかやめろよ! ほら、顔上げて」

藤樫くんは焦って、地面についた私の手の汚れを払ってくれた。


「助けてほしいって、どういうこと?」

心配そうに私を見つめる綺麗な瞳。


私は初対面の綺麗な男に、マジで助けてもらおうなんて思ってしまう自分に驚きながら、

家族のためにも、頑張って彼を口説いてみようと思った。


「うちのお店が危ないんです……!」

「そう……」

「藤樫くんのイケメン力でなんとかしていただけないでしょうか?」

「なんとかって……?」