「それでさー、美姫が本気でおこってぇー、そんなに好きならもっとはやく告白しとけばよかったじゃんって思うよねー」

教室に入った瞬間この会話が聞こえました。友梨の声です。

美姫「自分だって大して好きじゃないくせに!本気で怒るに決まってるじゃん!本当に好きなんだもん…」
友梨「うわー、たかが恋愛でそんなに怒ることなくない?ウケるんだけど」

ガラッ

教室のドアが開きました。

優斗「そこまで言うことないんじゃないの?」
友梨「そうだよねー。ほんと美姫言い過ぎだよー」
優斗「まだわからないの?美姫じゃなくて友梨のこと言ってるんだけど!」
友梨「え?優斗どうしちゃったの?私たち付き合ってるじゃない。それに手もつないでくれたよね?」
優斗「付き合ってるとか関係なしにおかしいと思う。友梨が告白した時、強引だったし、手をつないだ時も友梨からだったけど?俺はお前みたいなのと付き合ったのが間違いだった」

それから優斗は向きを変え、私の方を向きました。

優斗「美姫、俺はお前のことが好きだ。こんな俺でよければ付き合ってほしい」
美姫「わ、わたしもずっと優斗のこと好きでした…まさか告白されるなんて思ってなかった…こんな私でよければお願いします!」

私は考えるより行動の方が早いです。一歩前に出たかと思うと優斗に抱きつきました。周りからの歓声が聞こえてきます。恥ずかしくたって今はもうどうでもいいです。
両思いなんて漫画だけの世界だと思ってました。でも違うんですね。当たり前の日常の中に奇跡はきっとあります。私はやっとその奇跡を見つけ出すことができました。今日から楽しい学校生活に変わり始めます!