「先輩って料理上手なんですね」
真悠くんがお弁当を食べながらそう言った。
「上手って程じゃないけど…自分が食べるの好きだからかな?」
「ちょっと意外でした。ちょっとっていうかだいぶ」
「ちょ、失礼じゃない!?」
たしかに料理できそうに見えないとよく言われるが…
「先輩は何が得意なの?」
「え?」
「料理。何作るのが得意なの?」
お弁当だから上手くいっただけで、正直難しいものはできないけど…
「なんだろ…オムライスとかハンバーグとか得意だよ!」
「好きな食べ物は?」
え?今度は好きな食べ物?
「え…真悠くん急にどうしたの?」
わたしがそう聞いても真悠くんは何も答えてくれない。
「好きな食べ物は唐揚げと桃かな」
「ふーん」
なんだこれは?プロフィール調査??
「あとレモンティーが好きなんでしょ?」
好きだけど…
ほんとに急にどうしたというのだろうか。
今思えば保健室に来てからの真悠くんはいつもより少し饒舌な気がする。いつもわたしが言ったことに返事してくれることが多いのに。
