すきっていって。



「お弁当…」


「お弁当?」



こんなウジウジしてちゃダメだ。せっかくのリベンジチャンスなんだから!


そう覚悟を決めてパッと顔をあげると、思っていたよりも優しい顔をした真悠くんと目が合う。



「お弁当作ってきたの!わたし料理苦手な方じゃなくって、だからその、胃袋から掴んでみよう的な!?だから…」


「え、俺に作ってきたんですか?」


「そうだよ!だから真悠くんが嫌じゃなかったら一緒に食べない!?」


「いいよ、食べよ。どこにあるの?」



え、やった。食べてくれるってことだよね?


思いがけず、体育祭が終わった今、わたしのやりたかったことが果たせそうだ。


その後お弁当を出して蓋をパカっと開いて真悠くんの反応を見る。



「…」



うん。さすが真悠くん。全く表情を崩さないとは。



「食べていいですか?」


「うん!もちろん!」



いただきますと言ってパクリと卵焼きを口に含んだ真悠くんを緊張しながら見守る。



「おいしい…」


「ほんと!?」


「はい」



よかったぁ!口に合わなかったらどうしようかと思ったよ。