「お前飲んできてないだろ」
ギクッ
え、利世エスパーなの??
「え、なんで?」
「戻って来んの早すぎる」
少し怒った声で利世がそう言う。
「ごめん、終わったらすぐ飲むから!」
そう言ったわたしに少しため息をついて
「あんま無理すんなよ」
とつぜん優しい声に変わってそう言った。
応援パフォーマンスが始まり、一生懸命練習したダンスを披露する。
パフォーマンスで踊っているせいか、暑くなってきて息切れがする。
学ランを羽織ってることでより一層体感の暑さも増している気がする。
段々自分の足が重たくなっていく気がして、体が記憶した通りに勝手に動いているような感覚になる。
指先が痺れたようにヒリヒリしてくる。
あれ、なんかこれ、やばいかな。
パフォーマンスが終わって、最後のポーズで踊るのを止めると、今まで暑かった体からサッと熱が引いて逆に冷めていって、目もすこしボヤっとした。
気づいたときには隣で踊っていた利世の背中が目の前にあって、自分がおんぶされている事に気づいた。
