すきっていって。



「茉乃!」



利世に突然呼ばれてハッと視線を利世に移す。



「そろそろ行くぞ」



ぼーっと見ている間に借り物競争は終わっていたようだ。


次は2年生のパン食い競走が行われる予定だ。



「茉乃お前ぼーっとして大丈夫か?」


「あ、大丈夫!」


「コロッケパン取りたいんだろ?」


「うん!頑張る!」



そうだ、気を引き締めなければ!


わたしはコロッケパンをゲットするんだ!


なぜコロッケパンがいいのかと言うと、真悠くんがいつも購買で買ってるから!


コロッケパンのために頑張るぞ〜〜!!!



「よし!利世いこ!」



列に並びに行く途中、競技が終わってもまだ話している真悠くんと琴ちゃんを遠目から見つけてしまった。


好きっていうのはこういうとき厄介だ。


いつも見ているから、好きな人ってすぐ見つけることが出来てしまう。


今までは幸せだったそのことが、今は少しだけ苦しかった。