すきっていって。



いよいよ真悠くんの番が来たみたいだ。


スターターピストルのバンっという音で一斉に走り出す。



「真悠くん頑張れー!!」



真悠くんが紙をめくりお題を見る。


お題はなんだろう?さすがに応援席からは見えない。


真悠くんがまた走り出した。


何を借りるんだろうと見ていると、青組の応援席の方に向かっている。


真悠くんが来て盛り上がっている青組の応援席で、真悠くんが誰かを呼んだ。


真悠くんが青いハチマキを付けた女の子を連れてゴールまで走り出した。


真悠くんが連れた女の子は琴ちゃんだった。


琴ちゃんはビックリしたような顔をして、連れられるまま走っていた。


真悠くんの順位は惜しくも2位だった。


でも今のわたしにはそんなことどうでも良くて。


真悠くんはどんなお題を引いたんだろう。そんなことばかり考えてしまう。


どんなお題を見て、真悠くんは琴ちゃんを思い浮かべたんだろう。


わたしがいない所で、真悠くんと琴ちゃんはどれだけ仲良くなったんだろう。


琴ちゃんは何があって真悠くんを好きになったんだろう。