すきっていって。



しおり作りも一段落したところで、切り上げて帰ることになった。


琴ちゃんがしおりを作るために、資料室から借りた画用紙などの道具を戻しに行くらしく、わたしも一緒に行くことにした。



「みんなが参加してくれたから今日すごい進んだ」


「よかった!わたしも嬉しい!」



作業が進んだことを嬉しそうに話す琴ちゃんにわたしも笑顔でそう答えた。



「茉乃ちゃん、さっきはありがとう。わたしのこと庇ってくれて」


「ううん!しおり作りたいって言い出したのはわたしだし、協力してもらってるのはむしろわたしの方なのに、琴ちゃんこそ庇ってくれてありがとうね」


「成瀬くんにも後でお礼言わなきゃ」


「そうだね!」



いやー、あの真悠くんは今思い出してもかっこよかったなぁなんて思っていると後ろから琴ちゃんを呼ぶ声が聞こえた。



「桜庭先輩!」



琴ちゃんと一緒にわたしも振り向くと、真悠くんが後を追いかけて来ていた。



「これ、忘れてます」



カッターも資料室に返すものだったみたいで、それを届けに来てくれたらしい。


真悠くん1人で来てくれたみたいで、他の人は1人も追ってきていなかった。


お礼を言うなら、真悠くんにだけ聞こえる時の方がいいかなと思っていたから、絶好のチャンス!と思って口を開いた。



「真悠くんさっきありがとう!めっちゃかっこよかったよおおおお」


「はいはい、ありがとうございます」



真悠くんに軽くあしらわれたわたしの後に琴ちゃんも続けた。



「わたしからも、本当にありがとう。あんな風に言ってくれてすごく嬉しかった」


「本当に思ったこと言っただけなんで」