歩いている中で感じるチャラチャラした男の先輩達の視線。
少し話しただけで鼻の下を伸ばしている、後輩の男の子。
「はぁ〜やっとお昼ご飯、お腹すいたぁ
そう言えば昨日あーやの連絡先欲しいって1組の俣野って人がいってたよ」
この子は四宮麗奈。私が唯一なんでも話せる友達。
「悪いけど、スマホお風呂に落として修理に出してるって言っておいてくれない?」
自分に好意を寄せている人に嘘をつく。理由はタイプじゃないから。見た目から入るタイプだから、っていうか面食いだからイケメンがいいの。
それでも、人はみんなまず見た目で判断するものだと思ってるのは私だけではないと思う。
「わかった!」
私、高嶺あや(タカネ アヤ)は世間一般的に見て美人と呼ばれる人の中の一人。
成績は学年で五本指の中に入るし、165cmある身長は平均を見ると高い方でスタイルも良く、どこを歩いていてもよくスカウトされる。
世の中、容姿が綺麗だといいことばかりあるの。
みんな見た目がすべて。
つまり、私は勝ち組ってこと。