「コホン 松平様、仕事とは?」



「この度、徳川慶喜様が将軍後見職を辞され
禁裏御守衛総督となられる
御所までの護衛を新選組に任せたい」



「慎んでお受け致します」



「よろしくお願いします
では、藤堂君!君が苦手と言っていた
春嶽も来るから、喧嘩しないように!!」


「げっ… つーか、喧嘩してねーし!」


「ふふふっ 血気盛んだとの噂は
よく耳にするんだよ」


「はははっ 平助は、有名なのだな!」









そして、護衛の仕事が無事に終え
新選組が屯所に帰る前…



「藤堂平助」




春嶽が、呼びとめた



「何用でしょう」


「見廻組への入隊を断ったと聞いたが」


「お声掛けは、嬉しく思っておりますが
分不相応だと自覚しております」


「……見れば見るほど、良く似ておる」


「……」





ジロリと平助の顔を見詰める

その目をそらすことなく、春嶽を見る






「この手の顔は、意外にいるものですよ!
俺の女にも似てますから!」






平助を庇う為、土方が春嶽へ声を掛けた





「ほう……其方の女に」






〝や、ヤバイ……〟



平助が春嶽から視線を外す




「ぷっ!女かよ!!!」



〝笑って誤魔化そう!〟


「前にも言っただろ!?似てるんだ!!!」


「言ったっけ?クククッ」




「もうよい!」



「では、失礼します!」