康正を見送り


いつも通り仕事をする





「平助」





屋根上から山崎が手招きする


ヒョイッ




平助も屋根上へ




「寒っ」


「ほれ!半分こや!」




山崎に渡された焼き芋を両手で包む


「あったけえ~」


「1個しかないねん!内緒やで!!」


「ありがとう!あちっ!おいひぃ~!」


「あのな…平助……」


「烝!当ててやろうか?」


「え?」


「俺の素性調べてみたんだろ?」


「……なんでわかったん?」


「烝は、きちんと仕事するからさ!
でも、何も出て来なかった
藤堂家の落胤ということさえ」


「せやねん」


「そんな時に、松平様が引き抜きにきて
土方さんにどう報告しようか
困っているってとこ?」


「御名答」


「調べた通りだよ
藤堂家との関わりがわかるものないし
前にも言ったけど
烝の目で、俺に間者の疑いがあれば
報告すればいい
それだけだよ」



「疑いなんて、持ったことないで!?
せやけど……」


「なに?」



「なんで、そない窮屈そうなん?
高杉には、さらけ出せて
俺らには、出せんもんてなんなん?」


「なんだろうな……
俺さ、なんとなく人が考えてることが
予測できるんだよな
勘が当たるっていうか…
松平様に言われた
苦しんでいるなら
誰かに相談しろって」


「愚痴でもなんでも聞くで!」



「うん ありがとう!
ご馳走様!!」


「言わんのかい!!!」



「あははっ!すぐは、無理だろ!
俺の中でも整理してみないと!」



「そやな」