次にその男に出会ったのは

巡察の帰り



河原に姿を見つけ
隊士を解散させた



「おーい!晋作!」



浅葱色の羽織を着たまま
大きく手を振る平助に
吹き出す



〝平助は、俺が長州浪士と知らないのか〟




「平助!お前、新選組だったんだな!?」



知っていたのに
今、知った風を装った



「知ってたくせに」


「っ!!!」


「あ!やっぱりな!!」



〝まさか!俺の事も気づいていたのか?〟



「この前、名乗る前に間があったから
俺の名前知ってるな!って思ったんだ!」



〝……違った〟


「新選組の藤堂平助って言えば
モテ男で有名だろう」


「そうなの?
うーん、まあ声は、掛けられるけど」


「平助……攘夷派なのに
徳川幕府の仕事が楽しいか?」



晋作が真顔で平助へ問い掛けた






「楽しいわけないだろう」






真顔で答えた平助の目に晋作が釘付けに







「それが……本当の平助なんだな」







常に笑顔を心がけていた平助が
自分を出してしまった





「晋作って、不思議だな
俺さ…晋作といると楽なんだ
まだ2回目なのに、まるで兄弟みたいに
ずっと一緒にいたような気分になるんだ」