2人が帰った後





「はあ~」


「あら、やはり熱が上がりましたね
着替えましょうか」


「うん… 陽乃… ごめんな」


「え?」


「なんか、コソコソ生活すんの疲れて…
色んな人に迷惑掛けてる
浅野家や陽乃がいなかったら…俺」


「/////平助様」


平助に抱きしめられ、陽乃が戸惑う



「どう恩返し出来るのかわかんねぇ
面倒になって、嫌われるのが怖い…」


「!!!嫌いになんてなりません!!!
皆、平助様が大好きなんです!!
普段から私達を気に掛けてくれるから
私達こそ平助様に恩返しのつもりです!」


「陽乃が…
いなくなる夢見て…」



陽乃が平助の背中に手を回す




「ここにおります
私は、生涯お仕えするつもりだと
言ったではありませんか」




「うん… そうだった…」




スヤスヤと陽乃に抱きついたまま
寝てしまった平助をそっと
布団に横にした



「着替えは後でいっか…」



平助の寝顔を見つめ




「平助様のそばにいます
これからも、ずっと…」






平助が復帰してすぐ
将軍警護の仕事が続いた







「平助 不満そうな顔すんな」



「してない」




「してるように見えるんだよ
もっと、にこやかにしてろ」




「俺は、こーゆー顔なの!!」



「フッ 体きつかったら言えよ」



土方にポンと頭を撫でられ
胸の高鳴りを抑えるのに苦労する


気をつけててもニヤニヤしてしまう




「平助!何ニヤニヤしてんだよ!
真面目にやれよ!?」



「は!?さっきは、にこやかにって!!!」



「警護中なんだからな」



「わかったよ!!!」




膨れる平助を見て、土方が笑う





「やっぱりのぶに似てるな…」





呟いた声は、平助には聞こえていなかった